Interview

がんばる金沢の
女性たちの物語。

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リンデさん

今日のうめかさん vol.3

手島シークリンデ さん
石川県出身。ドイツ人の父と日本人の母との間に生まれる。
ミス東京グランプリ受賞。
アパレル業界で数々のブランド立ち上げに携わり広報/マーケティング/ブランディングを経験した後、ディーゼルジャパン株式会社にてPR/PRESSとして活動。その後、自身の求めるライフスタイルを実現するため東京から金沢へ移住。大好きな金沢を拠点に「食・人・コト・モノをコンテンツにローカルからグローバルへ」をコンセプトに地方活性・地方創生に根ざしたPR officeを立ち上げる。
現在どういった活動をされていますか?
金沢のすばらしい商品や会社を伝えるお手伝いがしたいと、2018年「株式会社オフィスシュナイダー」を立ち上げて地元企業へのプロモーションやP R活動、商品開発に関わっています。またPR業だけでなく、2019年7月からは「イタリアン大衆酒場 HARUTA片町店」を事業継承し、飲食の経営にも携わっています。
今までどんなことをされてきましたか?
洋服関係につきたかった夢もあり、短大卒業後はChristian Diorクリスチャン・ディオールに入社。銀座店で売り上げ1位を記録したこともあります。その後アパレル業界でブランドの立ち上げなどに携わっていく中で、ディーゼルジャパンから声がかかり、PR/PRESSを仕事とする機会を得ました。

PR/PRESSのお仕事というのは、例えばパリやミラノで開催されるコレクションにメディア関係の方をご招待して新作を見ていただいたり、その際の招待状や座席表制作、パーティーの企画もします。私はまだ認知の低かったディーゼルのキッズブランドを任されました。認知をあげるために必死でアイデアを出し、子役の衣装として使ってもらえるように貸し出しを始めたり、人気のママブロガーに記事にしてもらうよう交流をもったり、がむしゃらに頑張りました。色々なタイミングもうまく噛み合って、ディーゼルキッズは瞬く間に認知が広がりました。売り上げもみるみる上がっていく手応えがあり、PRの仕事の大切さと楽しさを感じました!またこの時にできた、たくさんの頑張るママ達のネットワーク、ファッション雑誌とのつながりは今の私の宝物です。目も回るような忙しさでしたが、当時は刺激的なお仕事をたくさんさせていただきました。
なぜ今金沢で働いているのですか?
仕事の手応えを感じる一方で、子育てと仕事の両立には大変悩みました。幼稚園に送って仕事をして、迎えにいって、オフィスで横に座らせながら仕事をして帰る…。時間の使い方や子育ての環境がおかしいなって違和感を覚えました。このまま東京にいていいんだろうか、子どもはのびのびした生活を送ることができるだろうか、と。特にその頃東日本震災もあって、家族の繋がりや絆の大事さを強く思うようになりました。

一方で今の仕事への思いや、刺激のある東京での生活、都会を離れる事で感覚が鈍る不安もありました。ちょうど会社でお世話になった先輩が長野に移住していたので、相談したことがあって。先輩が「田舎で感覚が鈍るというのは逆。人間らしく生きる事で五感が刺激されて前よりも感覚が目覚めるよ。ルブタンなんていらなくなるから(笑)」と言ってくれたことは今でも忘れません。踏ん切りがつかず悶々と悩み働く中で、第二子も誕生しました。

そんな頃、ちょうど小学校にあがったばかりの長男に「今日何したの?」と学校の話をすると、「おりがみをした。」とか「本を読んだ。」という返事ばかりが返ってくることに気づきました。どうして外で遊ばないの?と聞いてみると、「運動場や体育館が狭くて高学年が占領して遊べないんだ。」と。私の小学校は自然いっぱいで、小さな頃は野山を駆け回っていたから本当にびっくりしました。私にとって先生は、家族のような存在だったけれど、長男が通っていた小学校の先生の態度は思っていた印象とは異なりました。そこで子どものためにもやっぱり移住しよう!と思い切って石川県へUターンを決めたんです。
ご家族は賛成してくれましたか?
もちろん、はじめ家族は大反対でした。義父母にはお世話になっていたし、主人は東京に生まれ育っている人間です。簡単には理解できなかったと思います。だけど今こそPR力を発揮せねば!と長期にわたって金沢の良さをプレゼンし続けました。そして、私と子ども達だけがまず石川へ移住。主人は仕事もありましたから、3年くらいは家族離れ離れの生活でした。でもすべて私が決めたこと。弱音は吐かない!どんなに大変だって子育ての愚痴は絶対に言わない!そしてお互いを思いやることは忘れないでおこう、と心に決めて頑張りました。
ご主人がいない中、2児の子育てママが金沢で働くのは大変なことですね。
生まれた場所と言っても高校卒業から18年離れています。人脈もない、土地勘もない。お金もない。まずは金沢を知るために最適だと思い、少しの間地元の不動産屋さんに勤めたことも。ただ東京と金沢を比べると、女性が活躍するという面において、意識の差はやっぱりあるなぁと感じましたね。その後タレントのMEGUMIさんが金沢で出すお店のプロデュースを手伝ってくれないか?と相談がきたので、この仕事は今の自分にピッタリだとお引き受けしました。もちろんまだ何もない中での基盤作りは本当に大変でした。卸先の選定、人材採用、メニュー開発、内装、業者の選定…。まったく初めてのこともたくさんあって、好きなお店にどんな業者が出入りしているか見張ったこともあるんですよ(笑)。

おかげさまでMEGUMIさんがオーナーだということも話題となり、取材もたくさんしていただいて繁盛しました。
そうして一歩ずつ金沢に根付き始めると、少しずつ人脈も増え、歯車が回ってきました。
一番金沢で苦労されていることはなんですか?
宣伝広報、PRにおいて、東京では「フリーランス」形式で仕事をするのは普通なのですが、石川ではどこの会社の誰か、などの肩書がとても重要になってきますよね。それに地方ではなかなか「PR」という仕事自体が確立されていません。この土地の信用を得ていくことはとても大変だと、身を持って感じています。またそんな中、我が家は3人の子育てを同時にこなさなくてはいけない。忙しいことを理由にしない!と気負っていただけに、本音はとてもしんどかったです。昨年から主人も完全に移住し、家族全員が一つ屋根の下で暮らせるようになりました。コロナ禍の中、先行きが見えず大変なこともたくさんありますが、家族が一緒にいるというだけで随分と安心できるものですね。家族の絆のありがたみを今とても感じています。
金沢の好きなところはなんですか?
自然がすぐそこにあるところです。うちの近くには満点の星空が見える海があり、そばの林でアカシアの木に触れられる。五感が戻ってきますね。我が家はキャンプも好きなので、山や海にすぐ出かけられるところが気に入っています。そして食事が美味しく、空気がキレイなところや、ちょうど良いコンパクトシティなところも大好きです。
ほっと一息つける金沢のおすすめスポットを教えてください。
金沢神社です。小さな頃からお参りしていて、何かあるといつも立ち寄っています。とっても心が落ち着くスポットです。犀川の河川敷を歩くのも心が癒されます。またせせらぎ通りは、家具屋さんやごはん屋さんが水路沿いに並んでいて、昔からお散歩するのが心地よく大好きな場所です。
かなざわハイカラクッキーはいかがですか?
三つともおいしいですが、私は能登塩とゆずが一番のおすすめです。能登塩がキリッと聞いているのがハマります。またクッキー自体がボリュームがあって贅沢ですね。
「北陸朝日放送 ギュッ!と石川 ゆうどきLive 出演。
いしかわ移住応援特使に任命、金沢市の移住プロモーション動画「金沢美住」出演
(https://www.kanazawa-iju.jp/ )

オフィシャルサイト
https://ameblo.jp/sieglinde-tejima/

イタリアン大衆酒場 HARUTA ハルタ 金沢片町店
https://haruta.owst.jp