Interview

がんばる金沢の
女性たちの物語。

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早良さん

今日のうめかさん vol.4

荒木 早良(あらき さら)さん
石川県生まれ。多摩美術大学を卒業後、フランスに渡りヌードデッサンの専門学校で学び帰国。
金沢医科大学病院の作業補助としての勤務をきっかけに、メディカルメイクとエピテーゼを学ぶ。現在、荒木病院の形成外科・美容皮膚科でエピテーゼを製作、また病院のマネージャーとして活動。
現在どういった活動をされていますか?
石川県小松市にある、荒木病院でマネージャーをしつつ、形成外科・美容皮膚科でエピテーゼ制作技術師をしています。
エピテーゼとはなんですか?
エピテーゼとは、腫瘍や火傷、事故などによる怪我、生まれつきなどの要因による身体の欠損部をカバーする人工物の総称です。
今のお仕事を始めたきっかけは?
母の勧めもありメディカルメイクを勉強してみたいと思ったのがきっかけです。特殊メイクからエピテーゼの道に進んだ先生と知り合う機会があり、そこで学びました。
どうしてこの道に進んだのですか?
小さな頃から人体の絵本や、実家の病院にあった人体解剖図などに興味がありました。そして絵を描くことも好きだったので、高校を卒業後、多摩美術大学に入学し油絵を専攻しました。その当時は現代アートに注目が集まっていて、私自身のやりたいこととは少しズレを感じていました。元々の人体を描きたい強い欲求から、卒業後フランスにあるヌードモデルをひたすら描く専門学校に留学しました。
フランスはどうでしたか?
最初はパリ郊外の寮に住みながら語学学校でフランス語を学びました。到着して部屋のカーテンを開けると、窓一面墓地風景が広がっていた景色は忘れられません笑
しばらくしてからホームステイをして絵の学校に通い、夏休みには地元の美大でも勉強しました。その学校は人種も様々で描く絵も様々と、とても勉強になりました。ヌードデッサンはきれいな女性だけでなく、老若男女体型も様々いろんな体を描くことができました。今でも絵を描きますが、この経験から人物の身体の中からにじみ出るものを模様にして描く手法になりましたね。
帰国後はどうされたんですか?
留学は父と1年間だけの約束でしたが、伸ばして3ヶ月帰りませんでした(笑)
帰国してからは金沢医科大学病院で働き始めました。形成外科の症例写真をデータ化する仕事です。患者さんたちの身体の一部がなくなった写真や、ひどいケロイドの状態を見ることも多く、またその状態のまま退院し生活を送っていると知り胸が苦しくなりました。私に何かできることがないだろうか、本やネットなどで調べたりしていると、母がメディカルメイクを紹介してくれました。そこで「エピテーゼ」と出会うことになりました。
メディカルメイクというのは、手術跡や傷、あざやヤケドあと、病気による皮膚の変色などをメイクで隠すものです。多くの方が癒され自信を持って社会に出ていけると知り、東京に学びに行きました。そこで出会った先生が、美大を卒業しているのなら造形や着色をする上で向いているはず!と、エピテーゼを学ぶ事を進めてくれました。
今思えば、大学の頃も粘土で身体を作り作品にしていましたから、運命的につながっているんですね。そして地元に帰り、実家の病院で活動を始めたんです。
具体的にどういったものを作られているんですか?
私の住んでいる小松市は鉄工関係の工場がたくさんあります。機械の巻き込みによって指を失う方もいて、その方々の指をお作りしたり、乳ガンで乳房切除しなくてはならなくなった方の再建手術後の乳頭を作るご依頼があります。
お渡しして喜んでいただいた時、本当にこの仕事を選んでよかったなと感じます。
これからの活動は?
私が勤めている荒木病院は代々産婦人科としてスタートして、「女性の幸せ」を手助けするを掲げ小児科、形成外科などにも取り組んできました。今年6月に、形成外科をリニューアルし形成外科・美容皮膚科に診療科が増えました。元々私自身がアトピー持ちで、学生時代は顔と首の症状が本当に酷かったです。そのコンプレックスからメイクの勉強をしたり、使える化粧品はなんだろうと調べたりしました。
形成外科の先生方と、新たに美容皮膚科医としてお越し頂いた先生は、すごく細やかな診断をして下さいます。私と同じ、そんな悩み多い女性が安心してお越しいただけるように先生やスタッフと全力でサポートしていきます。Instagramでは施術紹介や基礎化粧品の選び方、お肌のお手入れの方法、美容や健康のための食生活などの情報を提供しております。困っていることがありましたら、コメントやDMをくださいね。
金沢の好きなところは?
橋場町付近は大正や昭和の古い建物が多く残っていて、そんな街並みを歩いて浅野川まで散歩するのが好きです。
ほっと一息つけるスポットを教えてください。
金沢ではないんですが、五十谷の大杉という場所があります。大きな杉の木があるのですが、触れるだけで心が癒されます。お墓参りにいった帰りに、突然具合が悪くなったことがあって。怖くて怖くて、この木に助けてもらおうと連れて行ってもらいました。触れた瞬間嫌な気持ちがなくなって全ての邪気が浄化された気分になり救われたことがあります。それ以来何かあるとこの木に会いに行きます。
かなざわハイカラクッキーはいかがですか?
ホロホロサクッとした食感と、それぞれの濃厚な味を楽しめました。どのクッキーも美味しいですが、「能登塩とゆず」は病みつきになる美味しさですね!パッケージもおしゃれで、お土産に喜ばれると思います。